金曜日

11月8日、本日、好きなアイドルの初めてのCDが発売される。

 

わたしの好きなひとたちがつくった音楽が、手元にモノとして残る。記憶、データという無形のものから、実体を持って存在するようになる。

よかった。これでもう忘れずに済むよ。

 

5月23日の記憶が薄れてきている。それは、ここ最近の情報量の多さからかもしれないし、鬱のせいかもしれないし、ただ単に忘れているだけかもしれない。忘却曲線みたいなのあるよね。5月23日のあの一瞬は、復習なんてしようもない。忘却曲線が曲がっていくまま、身を任せて全てを忘れていくだけだ。砂に書いた文字が波に攫われるように、少しずつ、少しずつ。

データも消えれば終わりだ。それは、5月25日の24時に痛いほど感じた。8ページにも渡った今までの動画の記録が、一瞬で全て消えた。インターネットはどこまでいっても仮想世界で、現実なんかじゃない。都合の良いことも悪いことも、全て上書きされて消えていく。消されていく。インターネットの良さも悪さもそこにある。きっとこの文章も、誰の記憶にも残らないまま、なくなる。

 

手元にモノとして彼らの記録を残しておけるのが、本当にうれしいなと思う。

彼らの頑張りが、彼らの汗や血や涙が、塊となって形作られたような気分だ。これもひとつのセーブポイントだと思う。ひとつの″報い″というか。

彼らに本当に幸せになってほしいと思っている。

今までの努力の100分の1くらいは見れているだろうか。わからないけど、きっと想像もできないような努力のもとに彼らのパフォーマンスは成り立っている。だからこそ、わたしは彼らのパフォーマンスが好きだ。パフォーマンスをしている7人が1番輝いている。なによりも。

配信デビュー、単独YouTubeチャンネル、外部ライブ出演、そしてCD発売。これからも、こうやってひとつずつ報われていってほしい。全てが正当に報われることのない芸能界で生きている彼らの全てが報われますように。

 

わたしの棺桶にはCDを入れて欲しいけど、CDって焼けるのかな。あのきれいなマゼンタピンクのCDのジャケットが似合うような顔でありたい。