エピローグ

わたしの大好きな人が帰ってきた、7月14日。

少しだけ名前を変えて、でもそのままの彼らがわたしの目の前に帰ってきてくれた日。

 

わたしの大好きな人はきらきら輝いていました。今日も。明日も。明後日も。わたしが見ていない時だってきっとずっと輝いてる。

別にわたしの好きな人が特別何かをしてる訳でもないし、わたしはそれを求めてる訳でもない。ただただ、馬鹿みたいに、少女漫画みたいなきらきらの幻覚が好きな人の周りに見えている、わたしの頭がおかしいだけ。

好きな人のことが本当に好きなのかだんだんとわからなくなっていた2ヶ月。やっぱり好きな人のことは世界でいちばん大好きだった。好きな人が笑っていてうれしい。大きなえくぼがこれ以上ないほどかわいい。愛おしい。彼のことが本当に大好き。

 

 

なのにそこからほとんど公式SNSが動くことはなく、おそらく7月14日に撮影されたであろう数十秒の動画が更新されるばかりの1ヶ月。

仕方ないこととはわかっていても、諸々合わせると半年以上、まともに彼らに接していなかったなあと感じる。雑誌の文字では、お通夜みたいなブログでは、やっぱりたりないものはあった。言わなかったけど。いい子で待ってたかったし。

数十秒の動画をパラパラ漫画みたいにスクショして、1枚1枚ここが好きなんだ、と確認する作業をしていた。

そして、8月11日、12時。

Twitter(X)廃人のわたしはその日も何の意味もないタイムラインを更新していた。真っピンクの何かが目に飛び込んでくる。なんだって?

なんか曲が出るらしい。やったー!

世界デビューとか正直割とどうでも良かった。わたしが大好きな愛してやまない彼らの音楽が、ダンスが、パフォーマンスが見られることが何よりも嬉しかった。ティックトッカーなんてやめてくれ。アーティストでありアイドルな彼らのことが大好きだ、大好きな人の歌って踊ってるところが世界でいちばん大好き。

8月18日まで1週間、待ちきれないほど嬉しかった。

 

8月14日。彼らが本格的にYouTube動画配信をスタートさせるとお知らせされた。急すぎる。そうか。

前事務所の時から喉から手やら足やら内臓やらが出そうなくらい待ち望んでいた、彼らの長尺動画。しかも第1回はドライブ回。まあわたしの好きな人は無免なので関係なかった。

 

8月16日。それはそれはもう楽しくYouTubeを見た。ひさしぶりに彼ららしい顔を見られたな、という気持ちになった。今までも所属発表の際やFC動画など見るタイミングはあったけど。でもやっぱりそのままの彼らがいちばん愛おしい。7人のことが大好きだ。

 

8月17日。彼らのインスタライブを見た。

「もうすぐ夢が叶う瞬間だ」、といつものようにリーダーが叫ぶと、メンバー全員が盛り上がった。全然実感なんかなかったのに、ボロボロとひとりで泣いた。好きな人たちの夢が叶う、好きな人たちが幸せになる、なんてうれしいことなんだろう。自分の夢なんかひとつも叶っていないのに、勝手に便乗して喜んでみた。涙の味はちょっとだけ甘かった。

 

8月18日。12時ぴったりにMVを再生した。

2分のカウントダウン、通称″親″。この呼び方はVtuber界隈だけなんだろうか。わたしの好きな人も知っているだろうか。別にどっちでもいいけど。親がいつも以上に長く感じた。親はいつだって長い。

あまりにもかっこよくて言葉を失った。本当にこれがわたしの大好きな7人だったのか。わたしは全然7人のことを知らなかったのかもしれない。今日から7人のオタクになりました。よろしくお願いします。そんな気持ちだった。隅々まで見ても聞いても良いところしかない。こんなに素敵なMVで、曲でデビューを飾れたこと、本当にうれしくてたまらなかった。その日は1日、どころかずーっと今でもその曲ばかり聴いている。

 

前の事務所の時からは考えられないほどのスピードで再生回数のカウントが回っていく、いろんなランキングで名前を見る、全部夢みたいだった。こんなに幸せなことってあるのかな。好きな人が笑顔になっていくことが死ぬほど嬉しい。たくさん褒められているのも嬉しい。世界中にドヤ顔してまわりたい。わたしの好きな人はこんなにかっこいい。インスタライブでも、デビュー日のTikTokライブでも、ずっとオタクを大切にしてくれる。デビュー曲にも、たくさんオタクに向けた歌詞がある。本当に嬉しい。7人のファンでよかった、と心から思える。

 

7人のことを待つことができて良かった。

やっぱり世の中の風当たりは厳しい。できるだけ目を背けて、やわらかい言葉の中で生きていてほしいと思う。今の世の中の言葉は、8割くらい、あなたたちには関係ないことだ。

でも、今は世の中のことなんてどうでもいいくらい、7人のファンで幸せだし、7人のことが大好きだ。これからもそうでいたい。7人に好きだよ、と伝えていきたい。自分の名前なんか覚えてくれなくていい、ただ、「好きだよ」と言ってくれるモブNがいることで、少しは明るくなる気持ちがあればいいなと思っているだけ。